特定技能の外国人を受け入れた後に気になるのが、定期報告。3ヶ月に1回の定期報告が必要ということですが、「具体的な手続き方法は?」「何を報告すればいいの?」と疑問に思ってはいませんか?
この記事では、定期報告の必要書類や提出先について徹底的に解説。登録支援機関に委託することはできるのか、した方が良いのかについても解説します。手続き方法を知っておくことで、スムーズに定期報告をすることができるようになりますよ。
目次
「定期報告」とは?3か月に1回の入管への届出が必要!
特定技能の外国人の受け入れ機関は、3ヶ月に1回定期報告をし続けなくてはなりません。受け入れ機関は、定期報告として地方入国在留管理局に定期的に書類の提出が必要です。
定期報告で押さえておきたいポイントは、以下の2つです。
- 届出期間や提出期限は?
- 提出先と提出方法は?
具体的な定期報告の仕方について知っておくことで、慌てることなく手続きが済ませられますね。それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
届出期間は?四半期ごとの提出が義務付けられている
定期報告の提出期間は、四半期ごと。1年を四期に分けるので、3ヶ月ごとということになります。
- 第1四半期 1月1日から3月31日まで
- 第2四半期 4月1日から6月30日まで
- 第3四半期 7月1日から9月30日まで
- 第4四半期10月1日から12月31日まで
提出期限は、次の四半期の始まる日から14日以内とされています。
- 第1四半期 4月15日まで
- 第2四半期 7月15日まで
- 第3四半期 10月15日まで
- 第4四半期 (翌年)1月15日まで
提出期限内に届出を済ませることができるように、書類の準備をしておくことが大切です。なお、登録支援機関に適合1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託した場合は、定期報告を提出する必要がありません。
各書類の提出先と提出方法はどうなってるの?
では、書類をどこに提出すれば良いのでしょうか?書類の提出先は、以下のとおりです。
- 特定技能所属機関の住所(法人の場合は,登記上の本店所在地)を管轄する地方出 入国在留管理局・同支局
提出先は、出入国在留管理庁ホームページでも確認できます。提出するのは誰でも構いませんが、提出する方の身分証明書と受け入れ機関との関係が分かる資料を提出する必要があります。
従来は窓口へ直接提出するか郵送で提出していましたが、令和3年4月からは電子届出も利用できるようになりました。電子届には事前に利用者登録が必要なので、登録を忘れずに行いましょう。
登録するには、ポータルサイトから所定の様式に記入し、最寄りの入管に提出または郵送する必要があります。
必要な提出書類について解説!参考様式もご紹介!
書類の提出期間や提出先について確認したら、次はいよいよ提出書類の準備にとりかかります。提出すべき書類について、以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
- 受入状況から支援実施計画まで
- 賃金台帳も忘れずに!
いきなり定期報告と言われても、何を報告したら良いのか戸惑ってしまうもの。どのような内容の報告が必要なのか、知っておくことで今後の書類準備の参考になるはずです。それぞれの提出書類のポイントについて、詳しく解説します。
受入れ状況から支援実施状況まで報告
定期報告では、受け入れ状況から支援の実施状況までを3種の書類で提出する必要があります。
- 受入れ状況に係る届出書(参考様式第3-6号)
- 支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-7号)
- 活動状況に係る届出書(参考様式第3-8号)
1には、活動場所や業務内容、派遣先の名称・所在地、活動日数などを記載します。2には、実施に実施した支援の内容について報告します。受け入れ機関が登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の一部の実施を委託している場合は、受け入れ機関が2の書類を提出し、全部を委託している場合は登録支援機関が提出します。
3には、在籍者数、新規雇用者数、離職者数、労働保険・社会保険の加入状況、税の納付状況などを記載。特定技能外国人に対する報酬の支払状況参考様式第3-8号(別紙)に、四半期ごとの支払額を記載して添付します。
賃金台帳も忘れずに提出しよう!
特定技能の外国人は、同等の業務をしている日本人と同じかそれ以上の賃金をもらう権利があり、その証明として比較対象の日本人を設定しています。
特定技能の外国人本人の賃金台帳に加え、在留資格認定証明書交付申請時又は在留資格変更許可申請時に作成した特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)で、比較対象として設定した日本人の賃金台帳も提出しましょう。
比較した日本人が離職していなくなってしまった場合は、他の同一業務に従事する方を比較対象にして「特定技能外国人 の報酬に関する説明書」をもう一度作成し、提出します。もし比較対象の日本人がいない場合は、同一業務に従事する外国人でも可能ですが、その場合でも賃金台帳の写しは必要なので、忘れずに提出しましょう。
【注意点】気を付けるべき点とは?
特定技能の外国人を受け入れた受け入れ機関に欠かせない手続きである定期報告。気を付けなければならない2つのポイントを押さえておきましょう。
- 対象期間は許可の公布日で決まる
- 神奈川県・兵庫県は提出先が特殊
気を付けて提出しなければ、認定の取り消しにもなりかねない定期報告は、慎重に行いたいところ。細かい部分にも注意して、ミスを防ぐことが大切です。それぞれの気を付けるべきポイントについて、詳しく解説します。
対象期間は就労の有無ではなく許可の公布日で決まる!
届出の対象期間は、就労しているかどうかに関わらず、許可が下りた公布日により決まります。例えば、9月30日に特定技能の在留資格を取得し、働き出したのが10月3日からだった場合は、第3四半期(7月1日から9月30日まで)の定期報告を提出する必要があります。
また、在留資格を得たにも関わらず、就労開始後1週間で自己都合により退職してしまった場合にも、届出は必要です。就労の有無に関わらず、1日でも特定技能所属機関に所属していた方は、その期間の定期報告の届出が必要になるのです。
期間中働いていなかったからといって、届出をしなくて良いわけではありません。在留資格認定証明書の交付を受けた方は提出が必要なので、忘れずに提出するようにしましょう。
神奈川県・兵庫県の企業は届出先が特殊?
定期報告は、管轄地域ごとの地方出入国在留管理局・ 同支局に提出することが決められています。しかし、神奈川県・兵庫県・沖縄県の企業は、届出先が特殊なので注意が必要です。
- 神奈川県:東京出入国在留管理局横浜支局に提出
- 兵庫県:大阪出入国在留管理局神戸支局に提出
- 沖縄県:福岡出入国在留管理局那覇支局に提出
決められた支局のみで、届出の提出を受け付けています。また、成田空港支局、羽田空港支局、中部空港支局、関西空港支局の空港支局では特定技能に関する業務を行っていないので、提出することはできません。
利用登録は必要ですが、令和3年4月1日からインターネットによる電子届出ができるようになったので、活用してみるのも良いでしょう。
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特定技能の外国人を雇ううえで、避けては通れないのが定期報告。技能実習よりは必要書類が少ないとはいえ、慣れていないと準備するのがなかなか難しいものです。特定技能についての手間のかかる業務なら、登録支援機関に頼んでしまうのがおすすめ。KMTにお任せください。
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