特定技能の外国人受け入れには協議会への加入が必要と聞いたけれど、「協議会って何?」と疑問に思っている方はいませんか?協議会に入るためにはどんな手続きが必要なのか、費用はどのくらいかかるのかなど、いざ受け入れするとなると知りたいことが増えてくる方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、特定技能の協議会について徹底的に解説!加入のタイミングや費用、そして申し込み方法を分野別にご紹介します。特定技能の外国人を万全な体勢で受け入れたい企業の方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
在留資格「特定技能」の目的と協議会が果たす役割は?
在留資格「特定技能」は、日本の深刻な人手不足を補うために外国人を受け入れていく2019年から始まった制度。外国人にとっては、日本で働きながら滞在ができる魅力的な在留資格です。その特定技能制度を正しく運営しつつ特定技能外国人を保護する役割を果たすのが特定技能の「協議会」です。
協議会は各分野ごとに設置され、特定技能の外国人を受け入れる企業は加入しなければなりません。加入により受け入れ人数を把握できるため、協議会は各分野の人手不足を補う取り組みを行っています。
協議会への加入は、登録支援機関に委託することも可能。初めての特定技能外国人の受け入れで不安な方は、登録支援機関にサポートしてもらうのも良いでしょう。
特定技能「協議会」への加入|タイミングや費用を解説
特定技能外国人の受け入れが決まったら、受け入れ側の企業は協議会に加入する必要があります。特定技能の協議会への加入に関して、押さえておきたいポイントは以下の4つです。
- 加入時期
- かかる費用
- 登録支援機関の加入義務
- 入会証明書の必要性
協議会への加入は、特定技能の受け入れに欠かせない手続きのひとつ。前もって知っておくことで、スムーズな受け入れができるようになりますよ。それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
「協議会」への加入時期は?受け入れ後4ヶ月が目安!
協議会は、分野に関わらずに特定技能外国人の受け入れ機関が必ず加入しなければならない機関。受け入れから4ヶ月以内に加入しておく必要があります。4ヶ月後に入会が確認できない場合は、在留資格「特定技能」が取り消されることにもなりかねません。
まだ4ヶ月あるとのんびりしているとあっという間に期限を過ぎてしまうので、受け入れが決まったらすぐに加入しておくのがおすすめです。
また、以下の2分野は出入国管理庁への在留資格申請の前に手続きが必要なので、注意しましょう。
- 素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業
- 建設
製造3分野の場合は在留資格申請前に協議会への加入が必要、建設分野では在留資格申請前に(一社)建設技能人材機構(JAC)への加入が必要です。
「協議会」加入にかかる費用は?基本は入会無料!
協議会への加入には、基本的に入会金はかかりません。協議会への加入には費用がかからないため、試験や登録支援機関への委託金など、その他の外国人サポートに費用を使えるでしょう。
ただ、建設分野のみ入会金が必要です。建設分野は建設技能人材機構(JAC)に間接的に、または直接的に加入している必要があります。
- 間接的=JACの正会員である団体の傘下に入会すること
- 直接的=JACの賛助会員に入会すること
協議会への加入には、以下のような費用を負担しなくてはなりません。
直接的に加入する場合 | 間接的に加入する場合 | |
入会金 | 0円 | 団体によって異なる ※相場4万円ほど |
年会費 | 240,000円 | 団体によって異なる ※相場6万円ほど |
受入負担金 | 月額12,500~20,000円 | 月額12,500~20,000円 |
直接的にJACに加入する場合は、こちらの一覧の中から加入が必要です。
https://jac-skill.or.jp/membership.php
建設業は、入会金の他月会費や受入れ負担金などがかかります。建設分野には失踪の事例が多いのが費用がかかる理由。建設分野の受け入れ業者は、費用の負担を覚悟して受け入れを行わなければなりません。
登録支援機関も「協議会」への加入義務はある?
協議会への加入は、受け入れ機関に義務付けられています。しかし登録支援機関には協議会への加入義務があるのでしょうか?
登録支援機関は、特定技能の外国人を受け入れるためのサポートをしてくれる機関。協議会への加入義務は、分野ごとにあるものとないものがあります。加入が必須の分野は、以下の6分野です。
- 造船・造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
- 飲食料品製造業
- 外食業
登録支援機関に加入の必要がない分野は、以下の6分野です。
- 建設
- 農業
- 漁業
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業・産業機械製造業・電気電子情報関連産業
半分の分野は協議会への加入義務があるので、該当分野で受け入れをする登録支援機関は加入に必要な書類を揃えておくことが大切です。
「協議会」の入会証明書は必須?分野ごとに異なる
協議会に入会したら、証明書が必要かどうか気になってくると思います。協議会への入会証明書も、必要な分野と必要ない分野があります。以下の分野は証明書が必須なので、用意しておきましょう。
- 介護
- ビルクリーニング
- 建設
- 漁業
製造分野は、協議会の構成員であることの証明書は発行しておらず、経済産業省のホームページに名簿が掲載されています。分野によって証明書の発行はしていない場合もあるので、各分野のホームページで確認しておきましょう。
いずれにしても、初めて特定技能外国人を受け入れる企業は受け入れから4ヶ月以内には協議会への加入が必須。特定技能の外国人を正しく受け入れるためにも、忘れずに加入を済ませることが大切です。
【分野別】「協議会」への入会方法一覧!
協議会の概要が分かったところで、次は入会方法をチェックしておきましょう。管轄する省庁ごとに4つに分けて、入会方法をご紹介します。
- 建設|造船|自動車整備|航空|宿泊
- 農業|漁業|飲食料品|外食業
- 介護|ビルクリーニング
- 素形材・産業機械製造・電気電子情報
同じように協議会へ加入するのですが、各分野ごとに入会方法は少しずつ違っています。ポイントを押さえてスムーズに加入を済ませましょう。それぞれの分野の入会方法について、詳しく解説します。
国交省管轄5分野|建設・造船・自動車整備・航空・宿泊
国土交通省の管轄する5つの分野は、以下のとおりです。
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 航空
- 宿泊
どの分野でも入会申込書に記入して提出するのは同じですが、5分野それぞれ提出先や提出方法が異なります。受け入れる分野の入会方法をよく確認しておきましょう。
【建設】
建設分野は、JACのに間接的に、または直接的に加入している必要があります。
【造船・舶用工業】
初めて特定技能外国人を受け入れる事業者は、様式第4号に記入して国土交通省海事局船舶産業課に郵送します。なお、事前に造船・舶用工業事業者の確認申請書(様式第1号)に記入して提出して確認通知書をもらっておく必要があります。
【自動車整備】
入会申込書を、国土交通省自動車局整備課または地方運輸局か沖縄総合事務局に提出します。入会が認められれば返答が来るので、返答を待ちましょう。
【航空】
届出書類は、郵送の他メールで送信可能です。メールの場合は押印がいらないので手軽です。
- 空港グランドハンドリング : hqt-ground-handling01@gxb.mlit.go.jp
- 航空機整備 : hqt-jcab-youseiline@mlit.go.jp
郵送の場合は、空港グランドハンドリングは「航空ネットワーク企画課」、航空機整備は「運航安全課乗員政策室」に送りましょう。
【宿泊】
入会申込書を「観光庁 観光人材政策室」に直接郵送します。
農林水産省管轄4分野|農業・漁業・飲食料品・外食業
農林水産省が管轄する4分野は、以下の4種です。
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
それぞれの協議会入会方法を解説します。
【農業】
農業分野は、オンラインで入会の申し込みができます。必要事項を入力して送信することで、簡単に申し込みが可能。その後メールアドレスに加入通知書などが届きます。
【漁業】
加入申請書に在留資格申請の関係書類の写しなどの書類を添えて、2号構成員に提出します。
第1条 漁業分野における特定技能所属機関になった者は、協議会の1号構成
員になるため、加入申請書(別紙様式第1-1号及び第1-2号)に記入の上、
以下の書類を添えて、2号構成員に提出する。
一 雇用契約及び支援計画の概要(在留申請の関係書類の写し)
・特定技能雇用契約書
・雇用条件書
・1号特定技能外国人支援計画書
・支援委託契約書(登録支援機関を使用する場合)
・派遣計画書(派遣形態の場合)
・就業条件明示書(派遣形態の場合)
・派遣先の概要書(漁業分野)(派遣形態の場合)
・派遣許可書(派遣形態の場合)
二 協議会において協議が調った事項に関する措置を講じていることが確認
できる書類
三 その他基準への適合の確認に必要な書類引用:水産庁公式ホームページ
【飲食料品製造業・外食業】
WEBから加入申請ができます。入会フォームに記載のうえ提出すると事務局からメールが届くので、入管に提出した誓約書の写しを添付しましょう。審査には通常2週間~1か月程度かかり、認められると加入証がメールで届きます。
厚生労働省管轄2分野|介護・ビルクリーニング
続いて、厚生労働省管轄の2分野の協議会加入方法について解説します。
- 介護
- ビルクリーニング
【介護】
協議会への加入は、WEBで完結します。
- システムでのアカウントを取得
- 入会申請画面で情報を入力する
- 在留資格申請時の提出書類をPDF化してアップロードする
- 入会申請ボタンを押して申請完了
審査には1~2週間ほどかかり、認められたら厚生労働省にて入会証明書を発行。メールが来たら、システムにログインして証明書をダウンロードしてください。
【ビルクリーニング】
原則厚生労働省のホームページから申請します。申請に問題がなければ、「ビルクリーニング分野特定技能協議会構成員資格証明書(様式第2号)」がメールで届きます。電子申請が難しい場合は、電話で相談可能です。
経産省管轄1分野|素形材・産業機械製造・電気電子情報
経済産業省の管轄する製造3分野は、「素形材・産業機械製造・電気電子情報」として1つの分野に統合されました。協議会への加入方法を解説します。
【素形材・産業機械製造・電気電子情報】
申し込みは、素形材・産業機械製造・電気電子情報分野のポータルサイトを使って行います。
入会申し込み前に、指定された製造業分野の対象職種であることの証明書類を準備する必要があります。証明書類の作成には、証明書類作成テンプレートを使用しなければなりません。
その他必要書類を全て準備したら、申し込みへと進みます。
製造分野の協議会加入手続きは必要書類を用意しなければならないので、早めに準備しておきましょう。
特定技能「協議会」に関する問い合わせ先は?
特定技能の協議会に関する問い合わせは、基本的には各協議会の事務局です。以前は出入国管理庁で特定技能総合支援コールセンター(SSWTSC)を開設していました。特定技能の手続き全般に関する問い合わせができたのですが、残念ながら2021年3月末をもって一旦終了してしまいました。
ただ、コロナウイルスの感染拡大が収まれば、再度コールセンターが開設される可能性もあります。それまでは、各省庁ごとに設置された協議会の事務局に相談するのが良いでしょう。
また、協議会に関しての手続きを登録支援機関に委託することも可能です。経験豊富な登録支援機関なら、協議会だけでなく支援計画の作成など受け入れ全般に関するサポートをしてくれますよ。
まとめ|まずはKMTにご相談ください
協議会への加入は、特定技能外国人の受け入れが決まったらまず始めに取り掛かりたい手続き。しかし初めての特定技能の受け入れは、どのように進めたら良いのか分からないことも多いでしょう。
そんな時には、登録支援機関に業務を委託してみるのがおすすめ。登録支援機関なら、分かりにくい手続きも慣れています。登録支援機関として多くの特定技能外国人を受け入れてきたKMTなら、協議会への加入手続きの代行が可能。協議会加入だけでなく受け入れ全般をサポートできますので、まず一度ご相談ください。