「特定技能の申請に必要な書類について知りたいけど、法人と個人で必要書類は違うの?」と気になっている事業主さんはいませんか?特定技能の受入れに必要な書類は、法人と個人で異なります。
この記事では、特定技能の必要書類について解説したうえで、特に法人向けに必要な書類について解説します。また、知っておくと便利な書類の準備方法についても解説!法人で特定技能の受入れを行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
【基本】特定技能外国人を雇用したい時に必要な書類とは?
まずは、特定技能外国人を雇用したいときに法人か個人かに関わらずに必要な書類について解説します。特定技能外国人の受入れに必要な書類は、以下の4種類です。
- 入管が指定している申請書類
- 受入れ機関の概要が分かる書類
- 社会保険や税金の状況が分かる書類
- 受入れ分野ごとに必要な書類
特定技能外国人を受け入れるために必要な特定技能在留資格の申請は、管轄の地方出入国管理庁(入管)に提出します。提出すべき書類を知っておくことで、受入れの手続きがスムーズにできるようになります。
ここからは、特定技能外国人を雇用したいときに必要なそれぞれの書類について詳しく解説します。
⑴入管が指定している申請書類
特定技能の認定・変更・更新の申請には、入管が指定している様式での申請書類の提出が必要です。在留資格「特定技能」の申請書類は、申請の種類によりそれぞれ異なります。
- 認定のための申請書類
- 変更のための申請書類
- 更新のための申請書類
まずはどの申請をしたいのか確認し、それに合った申請書類を用意しましょう。それぞれの申請書類について、詳しく解説します。
認定のための申請書類
在留資格「特定技能」の認定を受けるための申請書類は、別記第6号の3様式「申請書(在留資格認定証明書交付申請書)」です。申請書類の様式は、入管のホームページからダウンロードして使えます。
在留資格認定証明書交付申請書の1枚目に必要事項を記入しましょう。同ページからは記載例もダウンロードできるので、参照しながら記入できます。
申請書類には申請者本人の40mm x 30mmの証明写真を貼り付け、国籍や生年月日、氏名や性別などの基本的な情報から記載します。写真の規定は入管のホームページに掲載されているので、確認しておくと良いでしょう。
「パスポート番号」や「入国予定年月日」、「上陸予定の空港」、「滞在予定期間」や「同伴者の有無」なども記載し、「過去の来日歴」、「在留資格認定証明書交付申請歴」、「犯罪歴」、「退去強制や出国命令による出国歴」、「在日親族の有無」なども正確に記載しましょう。
「犯罪歴」は日本国外のものも含み、交通違反による処分も含まれるので注意が必要です。ある場合は正直に具体的な内容を記載します。
1枚目に記入が終わったら、3~4枚目の「申請人等作成用 2 V」と「申請人等作成用 3 V」へも記入しておきましょう。
変更のための申請書類
在留資格「特定技能」の内容を変更するための申請書類は、別記第30号様式「申請書(在留資格変更許可申請書)」です。例えば、転職や、技能実習から特定技能への変更、特定技能1号から特定技能2号への変更などの場合には、変更のための申請書類を用意しましょう。
申請書類の様式は、入管のホームページからダウンロードして使えます。
在留資格変更許可申請書には申請者本人の40mm x 30mmの証明写真を貼り付け、国籍や生年月日、氏名や性別などの基本的な情報から記載します。入管のホームページで、写真の規定も確認しておきましょう。
資格変更の申請者は既に在留資格を持っているので、「現に有する在留資格」や「在留期間」、「在留期間の満了日」「在留カード番号」を記入し、さらに「希望する在留資格」や「在留期間」、「変更の理由」なども記入します。
1枚目に記入が終わったら、3~4枚目の「申請人等作成用 2 V」と「申請人等作成用 3 V」にも記入しておきましょう。
更新のための申請書類
在留資格「特定技能」を更新するための申請書類は、別記第30号の2様式「申請書(在留期間更新許可申請書)」です。申請書類の様式は、入管のホームページからダウンロードして使えます。
在留期間更新許可申請書には申請者本人の40mm x 30mmの証明写真を貼り付け、国籍や生年月日、氏名や性別などの基本的な情報から記載します。入管のホームページで、写真の規定も確認しておきましょう。
資格を更新する場合も既に在留資格を持っているので、持っている在留資格の情報を記入します。「現に有する在留資格」や「在留期間」、「在留期間の満了日」「在留カード番号」、さらに「希望する在留資格」や「在留期間」、「変更の理由」などを記入する欄もあります。
必ずしも希望どおりの期間で更新ができるわけではありませんが、希望の内容を記入しておきましょう。
1枚目に記入が終わったら、3~4枚目の「申請人等作成用 2 V」と「申請人等作成用 3 V」にも記入しておきます。
⑵受入れ機関の概要が把握できる書類
特定技能の申請時には、受入れ機関が特定技能外国人を適正に受け入れることができる機関であることを証明しなくてはなりません。上記の入管の指定した申請書の様式に、受入れ機関に関する情報を記入する欄があります。
特定技能の「認定」「変更」「更新」の中から、申請したい種類の申請書類を選んで記入します。
受入れ機関の概要が把握できる部分は、「所属機関等作成用」のページです。「所属機関等作成用 1 V」は、直接雇用する場合と派遣雇用する場合で書き方が違うので、派遣雇用が認められている農業や漁業分野の方は注意して記入しましょう。
「所属機関等作成用 2 V」の「取次機関」には、海外の送出機関がある場合は送り出し機関の概要を記載します。ここで、受入れ機関の法人番号(13桁)と雇用保険適用事業所番号(11桁)、労働保険番号が必要になるので、あらかじめ分かるように整理しておくと良いでしょう。入管のホームページに掲載されている記載例を参考にして記入すると、迷うことなく記入できるはずです。
受入れ機関の概要が記入できたら、「所属機関等作成用 4 V」までも記入しておきましょう。
⑶社会保険の加入状況や税金の納付状況などを証明する書類
特定技能の申請では、社会保険に加入していることや税金を納付していることなども証明しなければなりません。税金の納付状況を確認できる書類の申請書は、日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
入管に申請する時点で、外国人が国民年金に加入している場合には本人用の被保険者記録照会が必要です。
申請書は、誰の書類が必要なのかによって、以下の3種から選びましょう。
- 本人の場合:【特定技能・本人用】年金加入記録・国民年金保険料納付記録交付申請書
- 受入れ機関(社会保険適用事業所)の場合:【特定技能・適用事業所用】社会保険料納付記録交付申請書
- 受入れ機関(社会保険適用事業所以外の事業所)の場合:【特定技能・適用外事業所用】年金加入記録・国民年金保険料納付記録交付申請書
本人用の場合は本人が申請し、受入れ機関用の場合は受入れ機関が申請します。書類への記載ができたら、日本年金機構に郵送するか最寄りの年金事務所の窓口に提出します。郵送の場合はコピーでOK。書類が到着してから4営業日程度で証明書が交付されますが、窓口に提出した場合はそれ以上かかります。
基本的に、申請者の住所に証明書が送られます。本人用の書類は代理人に委任することもできますが、本人以外に委任した場合でも原則申請者本人に証明書が届きます。
⑷受入れ分野ごとに必要な書類
上記の書類に加え、特定技能の申請時には受入れ分野ごとに必要な書類も用意する必要があります。分野ごとに必要な書類は、入管のホームページから確認できます。
「在留資格認定証明書交付申請」の表右列「(3)分野に関する必要書類」で、各分野の必要書類をチェックできます。それぞれの分野ごとに異なりますが、主に必要な書類は以下のようなものです。
- 試験の合格証明書 or 技能実習の評価調書(申請人書類)
- 特定技能外国人の受入れに関する誓約書(法人書類)
- 協議会の構成員であることの証明書(法人書類)
特定技能外国人の受入れに関する誓約書は、所定の様式があるので各管轄の省庁のホームページからダウンロードして使いましょう。
また、共通して必要な書類のなかには、試験合格証明書のコピーや技能実習の評価調書があります。協議会の構成員であることの証明書もほぼ全ての場合に必要になるので、まずは協議会に加入し、証明書を用意しておくことをおすすめします。
【特集】受入れ機関が法人の場合に必要な書類を解説!
特定技能の申請に必要な書類が分かったところで、次は受入れ機関が法人の場合に必要な書類について解説します。受入れ機関が法人の場合の必要書類は以下の5種類です。
- 役所で取り寄せる書類
- 労働局から取り寄せる書類
- 年金事務所から取り寄せる書類
- 税務署から取り寄せる書類
- 法務局から取り寄せる書類
受入れ機関が取り寄せる書類はたくさん。さまざまな方面から集める必要があるので、前もって頭に入れておき、漏れがないようにしましょう。それぞれの書類について、詳しく解説します。
⑴役所で取り寄せる書類
役所で取り寄せる書類は、以下の2種類です。
- 業務執行に関与する役員の住民票の写し
- 法人住民税の市町村発行の納税証明書
「業務執行に関与する役員の住民票の写し」は、マイナンバーの記載がなく本籍地の記載があるもののみ受け付けてもらえます。
「納税証明書」は、初めての受入れの場合とすでに特定技能外国人を受け入れている場合で必要な書類の期間が異なります。
- 初めての受入れの場合:直近1年度分
- 受入れ中の場合:直近2年度分
なお、換価の猶予、納税の猶予、納付受託のいずれかにより納税緩和措置を受けているにも関わらず、適用を受けていることが納税証明書に記載されていない場合は、当該適用に係る通知書の写しを提出しなければなりません。
⑵労働局から取り寄せる書類
労働局からは、労働保険料等を納付していることが分かる書類を取り寄せます。特定技能外国人の受入れや労働保険事務組合への事務委託の有無により、必要な書類が異なります。
- 初めての受入れの場合:労働保険料等納付証明書(未納なし証明)
- 受入れ中で労働保険事務組合に事務委託していない場合:労働保険概算・増加概算・確定保険料申告書(事業主控)の写し及び申告書に対応する領収証書(口座振替結果通知ハガキ)の写し
- 受入れ中で労働保険事務組合に事務委託している場合:労働保険事務組合が発行した労働保険料等納入通知書の写し及び通知書に対応する領収証書(口座振替結果通知ハガキ)の写し
受入れ中の場合は、労働保険事務組合に事務委託しているかいないかに関わらず、直近2年分の書類の写しが必要です。なお、労働保険の適用事業所でない場合は、労災保険に代わる民間保険の加入を証明する書類の提出が必要です。
口座振替結果通知ハガキをなくしてしまった場合は、都道府県労働局の発行する「労働保険料等口座振替結果のお知らせ」でも代用できます。
⑶年金事務所から取り寄せる書類
年金事務所から取り寄せる書類は、以下のとおりです。
- 社会保険料納入状況回答票 or 健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
いずれにしても、申請日の属する月の前々月までの24ヶ月分の証明が必要です。なお、納付や換価の猶予を受けていて「社会保険納入状況照会回答票」にその旨が記載されていない場合は、「納付の猶予許可通知書」または「換価の猶予許可通知書」の写しも提出しなければなりません。
概ね2年間分の健康保険・厚生年金保険料領収証書の写しを提出すると、社会保険料納入状況回答票が不要になるので年金事務所から取り寄せる必要がなくなります。特定技能の受入れ時にあると便利なので、受入れを考えている事業主さんは健康保険や厚生年金保険料の領収証書をまとめて保管しておくのもおすすめです。
⑷税務署から取り寄せる書類
税務署から取り寄せる書類は「納税証明書(その3)」で、税目は以下の3種類です。
- 源泉所得税及び復興特別所得税
- 法人税
- 消費税及び地方消費税
1の「源泉所得税及び復興特別所得税」は、「申告所得税」ではなく「源泉所得税」で証明を受ける必要があります。また、納税の猶予または納付受託を受けている場合は、当該適用がある旨の記載がある納税証明書だけでなく、未納がある税目についての「納税証明書(その1)」も提出しなければなりません。
なお、電子納税以外で最近納付した税金に関する証明書の場合は「領収証書」が必要です。申告後間もなく納税証明書を取り寄せる場合は、納税証明書の発行ができない場合もあるので、前もって税務署に確認しておくと良いでしょう。
⑸法務局から取り寄せる書類
法務局から取り寄せる書類は、「登記事項証明書」です。登記事項証明書は、オンラインで請求が可能です。オンラインなら法務局のサービス窓口までわざわざ足を運ぶ必要がなく、請求した書類は自宅や会社に郵送されるので便利。窓口ではかかってしまう手数料もかからず、平日の8時半から21時まで請求できます。
その他、状況によっては以下の書類も必要です。様式は入管のホームページからダウンロードできます。
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- 特定技能所属機関の役員に関する誓約書(参考様式第1-23号)※特定技能外国人の受入れに関する業務執行に関与しない役員がいる場合のみ
- 公的義務履行に関する説明書(参考様式第1-27号)※社会保険料や税金に関する書類の提出不要の適用を受ける場合のみ
知っておくと便利!郵送での取り寄せも可能
法人が特定技能の受入れをする場合にも、さまざまな機関からさまざまな書類を取り寄せなければなりません。多くの機関を回って書類を請求するのは大変ですが、郵送での取り寄せも可能です。徐々にオンラインで請求ができるものも増えてきているので、オンラインで請求して郵送してもらうことで各機関の窓口に足を運ぶ手間が減らせます。各機関の電話や公式サイトで郵送ができるのか確認してみましょう。
また、法人で特定技能の受入れをするなら登録支援機関に受け入れ業務を委託するのもおすすめです。法人での受入れについて経験豊富なスタッフが在籍しているので、登録支援機関のサポートを受けると受入れの手続きがスムーズになります。必要書類がたくさんあって大変だと感じる方は、登録支援機関にお願いしてみるのも良いでしょう。
まとめ|法人での受け入れはKMTにお任せください!
法人が特定技能外国人を受け入れるためには、たくさんの書類が必要です。必要書類に漏れがあると、特定技能外国人の受入れができなくなるだけでなく、入管から指導や改善命令などが出る場合があります。登録支援機関を使わずに自力で特定技能外国人の受入れを行うことも可能ですが、必要な書類も多く自力での受入れはハードルが高いのが現状です。
必要書類の用意にあたふたしないためにも、登録支援機関に受け入れ業務を任せるのがおすすめです。特定技能の受入れ実績の高いKMTなら、法人での受入れも徹底的にサポートします。特定技能外国人を法人として受け入れたいなら、ぜひ一度ご相談ください。