2026年1月、厚生労働省は、特定技能1号(介護分野)に関する在留期間の取扱いについて新たな運用を公表しました。
これまで原則「通算5年」とされてきた特定技能1号(介護)ですが、一定の条件を満たす場合、最大6年目まで在留継続が可能となる制度が示されています。
本記事では、登録支援機関・受入機関・外国人本人それぞれの視点から制度の概要・要件・実務対応・注意点までを詳しく解説します。
目次
特定技能1号(介護)の基本|在留期間は原則5年
特定技能1号は、出入国在留管理庁が定める制度上、在留期間の通算上限は5年とされています。
介護分野では、従来以下のキャリアパスが想定されていました。
- 介護福祉士国家試験に合格
- 在留資格「介護」へ変更
- 不合格の場合は帰国
従来制度の課題
- 国家試験にあと数点届かないケースが多数
- 5年満了直前の不合格=帰国リスク
- 受入機関が育成した人材を失う可能性
介護現場の人材不足が深刻化する中、この「5年の壁」は大きな課題となっていました。
2026年の新制度|在留期間を最大6年に延長可能
2026年1月21日付通知により、厚生労働省は、介護福祉士国家試験に合格していない場合でも、一定条件下で在留継続を認める運用を示しました。
制度の核心
今回の改正で変わったこと
- 国家試験不合格=即帰国ではない
- 「合格に近い水準」であれば再挑戦可能
- 最大6年目まで在留継続の可能性
延長の要件とは?【重要ポイント】
単なる不合格では延長できません。
以下の要件を満たす必要があります。
- 通算在留期間が5年に到達すること
- 介護福祉士国家試験を受験していること
- 一部科目(パート)に合格していること
- 総得点が合格基準点の一定割合以上であること
- 翌年度の再受験に向けた具体的学習計画を提出
※詳細は厚生労働省公式ページおよび公表資料(PDF)をご確認ください。
パート合格制度とは?
介護福祉士国家試験では、近年「パート合格制度」が導入されています。
これは、
- 試験科目を複数パートに分割
- 合格したパートは翌年以降免除
- 不合格パートのみ再受験
という制度です。
パート合格制度のメリット
- 努力が翌年に持ち越される
- 合格可能性が年々上がる
- 制度上「合格に近い人材」と評価可能
今回の在留延長制度は、この仕組みと連動している点が大きなポイントです。
登録支援機関が果たす役割
登録支援機関にとって本制度は非常に重要です。
支援機関が対応すべき実務
- 試験結果の確認と分析
- 合格パートの把握
- 学習計画の作成支援
- 受入機関との連携
- 更新申請スケジュール管理
注意点(支援機関視点)
- 形式的な学習計画では不十分
- 支援記録が残っていないと説明困難
- 申請期限管理ミスは致命的
受入機関のメリット
本制度は受入機関にとっても非常に大きなメリットがあります。
施設側のメリット
- 即戦力人材の継続雇用が可能
- 育成コストの無駄を防げる
- 採用難の時代に安定確保が可能
最終目標は在留資格「介護」
介護福祉士に合格すれば、在留資格「介護」へ変更可能です。
在留資格「介護」のメリット
- 更新回数に実質制限なし
- 長期的就労が可能
- 家族帯同の可能性
6年目延長制度は、あくまで最終合格へのラストチャンスです。
まとめ|登録支援機関として今やるべきこと
- 試験対策支援体制の強化
- 学習計画テンプレート整備
- 更新申請スケジュール管理の徹底
- 受入機関への制度周知
今回の制度改正は、単なる救済措置ではありません。
「育成型の特定技能制度」へ進化した転換点といえます。
登録支援機関として、制度理解と実務対応力が今後の差別化要素になるでしょう。


