在留資格

受入れの拡大が進む特定技能2号ですが、「そもそも特定技能2号って?」「受入れるには何が必要?」と疑問に思っている方も多いでしょう。

そこで今回は、特定技能2号の取得できる条件について徹底的に解説!特定技能2号について概要を説明したうえで、必要な試験や役職・実務経験はどのくらいなのか、詳しく解説します。全分野共通と分野ごとにわけて取得条件をご紹介するので、特定技能2号の受入れに興味がある企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。

特定技能2号とは?制度のポイントを確認

特定技能2号とは?制度のポイントを確認

特定技能には1号と2号があり、特定技能2号はより熟練したスキルを持つ外国人に与えられる在留資格です。特定技能2号の取得者は、令和5年12月末時点で全国で37名と公表されています。そのうち建設分野が最も多い30名で、造船・舶用工業が6名、製造業が1名です。特定技能2号の1号と違うポイントは、以下のとおりです。

  • 在留期限の更新が無制限
  • 永住権取得の可能性あり
  • より高い技能水準を求められる
  • 登録支援機関のサポート不要
  • 家族帯同が可能に
  • 日本語能力試験は受験の必要なし
  • 試験の実施場所は国内外

まず、特定技能2号は在留期限が無制限に更新できます。1号では1年・6ヶ月・4ヶ月ごとに通算5年までという上限が設けられていますが、2号なら無制限で更新が可能。更新期間も3年・1年・6ヶ月ごとと長くなります。一定の期間ごとに更新を続けて認められ続けることで、永住権が取得できる可能性にもつながる魅力的な在留資格です。

とはいえ、特定技能1号よりも高い技能レベルが求められるのも特徴のひとつ。長年の実務経験により、自らの判断で専門的な業務を行うことができたり監督者として高い技術水準で業務を行うことができるくらいの実力が求められます。技能水準を満たしているかどうかは、実務経験と各分野の技能試験により確認されます。

また、特定技能2号は1号と違い登録支援機関のサポートや支援計画の策定は必要なく、家族帯同も可能です。一定の経験があるため日本語能力試験は免除され、技能試験は国内外で実施されます。これだけメリットが並ぶととても魅力的に見える特定技能2号ですが、取得するためにはいくつか条件があります。

【全分野共通】特定技能2号の取得要件は?共通項目をご紹介

【全分野共通】特定技能2号の取得要件は?共通項目をご紹介

まずは、全分野に共通する特定技能2号の取得要件を見ていきましょう。特定技能2号の全分野に課される条件は、以下のとおりです。

  • 18歳以上であること
  • 健康状態が良好であること
  • 熟練した技能を有していることが試験の合格やその他の方法で証明できること
  • 退去強制令書の円滑な執行に協力しないイランやイスラム共和国の外国人でないこと
  • 特定技能外国人やその親族などが、保証金の徴収や財産の管理・違約金契約を締結させられていないこと
  • 特定技能外国人が負担する費用の額および内訳を十分に理解して合意していること
  • 本国において必要な手続を遵守していること
  • 技能実習からの移行の場合は日本で修得、習熟または熟達した技能などの本国への移転に努めるものと見込まれること

中でも気になるのが、熟練した技能を有していることの証明。熟練した技能を有していることは、各分野の2号技能試験や日本語能力試験の他に実務経験で判断される分野があり、分野ごとに実務経験がどのくらい必要なのかは異なります。また、必ずしも特定技能1号を修了してから2号を取得しなければならないわけではなく、直接特定技能2号の評価試験を受けても合格すれば問題なく特定技能2号の取得は可能です。

【各分野別】特定技能2号の取得要件は?11分野別にご紹介

【各分野別】特定技能2号の取得要件は?11分野別にご紹介

続いて、各分野ごとに異なる特定技能2号の取得要件を押さえておきましょう。2024年4月時点で特定技能2号を取得できるのは、以下の11分野です。

  1. 建設業
  2. 製造業
  3. 農業
  4. 漁業
  5. ビルクリーニング
  6. 造船・舶用工業
  7. 自動車整備業
  8. 航空業
  9. 宿泊業
  10. 飲食料品製造業
  11. 外食業

ほとんどの分野で日本語の試験は必要ありませんが、日本語試験が必要な分野もあります。分野ごとに取得の条件が異なるので、各分野の2号取得条件をしっかりとチェックしておくことが大切。それぞれの分野の取得条件について、詳しく解説します。

⑴建設業

分野別試験

建設分野で特定技能2号を取得するには、以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「建設分野特定技能2号評価試験」
  2. 「技能検定1級または単一等級」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

建設分野は以下のような実務経験が必要です。

  • 【CCUS による能力評価基準の設定のある職種】「土木」、「建築」、「ライフライン・設備」業務区分に対応する建設キャリアアップシステムの能力評価基準のある職種に係る能力評価基準のレベル3相当の「就業日数(職長+班長)」
  • 【CCUS による能力評価基準の設定のない職種】「就業日数(職長+班長)が3年(勤務日数645日)以上

就業日数は、部門により異なります。詳細は国土交通省のホームページから確認できるので、建設分野での受入れを考えている方はチェックしておきましょう。

就業日数の詳細はこちら

⑵製造業

分野別試験

製造分野で特定技能2号を取得するには、「特定技能2号評価試験ルート」と「技能検定ルート」の2種類があります。

【特定技能2号評価試験ルート】

特定技能2号評価試験ルートの場合は、以下の両方の試験に合格する必要があります。

  1. 「ビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニング区分、生産管理オペレーション区分のいずれか)」
  2. 「製造分野特定技能2号評価試験(機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分のいずれか)」

【技能検定ルート】

技能検定ルートの場合は、以下の試験に合格する必要があります。

  • 「技能検定1級(鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、工業包装のいずれか)」

なお、どちらのルートでも日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

製造分野は以下のような実務経験が必要です。

  • 日本国内に拠点を持つ企業(日本国内に登記している本店または主たる事務所等がある企業)の製造業の現場における3年以上の実務経験

製造業では、他の分野よりも長めな3年以上の実務経験が必要なことを頭に入れておきましょう。

⑶農業

分野別試験

農業分野で特定技能2号を取得するには、従事する業務に応じた以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「2号農業技能測定試験(耕種農業全般)」
  2. 「2号農業技能測定試験(畜産農業全般)」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

農業分野に必要な実務経験は、受けて合格した技能試験ごとに定められています。

  • 【2号農業技能測定試験(耕種農業全般)】耕種農業の現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験または耕種農業の現場における3年以上の実務経験(自然条件の変化に応じて自らの判断により農作業を行うとともに、2名以上の作業員を指導・監督し、作業工程を管理すること)
  • 【2号農業技能測定試験(畜産農業全般)】畜産農業の現場で複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の経験または畜産農業の現場での3年以上の経験(家畜の個体や畜舎環境の変化に応じて自らの判断により農作業を行うとともに、2名以上の作業員を指導・監督し、作業工程を管理すること)

⑷漁業

分野別試験

漁業分野で特定技能2号を取得するには、従事する業務に応じた以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「2号漁業技能測定試験(漁業)」
  2. 「2号漁業技能測定試験(養殖業)」

漁業では、以下の日本語試験のレベルに合格する必要があります

  • 「日本語能力試験」N3以上

実務経験

漁業には「漁業」と「養殖業」の2種があり、それぞれに必要な実務経験が定められています。

  • 【漁業】漁船法上の登録を受けた漁船において、操業を指揮監督する者を補佐する者または作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての2年以上の実務経験
  • 【養殖業】漁業法及び内水面漁業の振興に関する法律に基づき行われる養殖業の現場において、養殖を管理する者を補佐する者または作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての2年以上の実務経験

⑸ビルクリーニング

分野別試験

ビルクリーニング分野で特定技能2号を取得するには、以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」
  2. 「技能検定1級」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

ビルクリーニング分野は、以下のような実務経験が必要です。

  • 特定建築物(建築物衛生法第2条第1項)の建築物内部の清掃または建築物清掃業(建築物衛生法第12条の2第1項第1号)、建築物環境衛生総合管理業(建築物衛生法第12条の2第1項第8号)の登録を受けた営業所が行う建築物(住居を除く)内部の清掃に、複数の作業員を指導しながら従事し、現場を管理する者としての2年以上の経験

⑹造船・舶用工業

分野別試験

造船・舶用工業分野で特定技能2号を取得するには、以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「造船・舶用工業分野特定技能2号試験」
  2. 「技能検定1級」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

造船・舶用工業分野は、以下のような実務経験が必要です。

  • 複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての2年以上の実務経験

ここでいう「監督者」は、グループ長やグループリーダーなどをいい、実務経験とは自らのグループの各従業員への作業指示、製作物の確認、安全確保のための設備や作業場環境の点検、作業計画の作成、作業の進捗管理等を行いながら、造船・舶用工業における業務に従事した経験などのことを指します。

⑺自動車整備業

分野別試験

自動車整備分野で特定技能2号を取得するには、以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」
  2. 「自動車整備士技能検定試験2級」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

自動車整備分野に必要な実務経験は、受けて合格した技能試験ごとに定められています。

  • 【自動車整備分野特定技能2号評価試験】道路運送車両法第78条第1項に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場での3年以上の経験
  • 【自動車整備士技能検定試験2級】実務経験不要

⑻航空業

分野別試験

航空業の特定技能2号は、「空港グランドハンドリング」と「航空機整備」の業種に分かれています。

【空港グランドハンドリング】

空港グランドハンドリングの場合は、以下の試験を受けて合格する必要があります。

  • 「航空分野特定技能2号評価試験(空港グランドハンドリング)」

【航空機整備】

航空機整備の場合は、以下のいずれかの試験を受けて合格する必要があります。

  1. 「航空分野特定技能2号評価試験(航空機整備)」
  2. 「航空従事者技能証明」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

航空分野は、従事する業務に応じた以下のような実務経験が必要です。

  • 【空港グランドハンドリング】空港グランドハンドリング現場において技能者を指導しながら作業に従事した実務経験
  • 【航空機整備】航空機整備業務においては、現場において専門的な知識・技量を要する作業を実施した3年以上の実務経験

⑼宿泊業

分野別試験

宿泊分野で特定技能2号を取得するには、以下の試験を受けて合格する必要があります。

  • 「宿泊分野特定技能2号評価試験」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

宿泊分野は、以下のような実務経験が必要です。

  • 宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなどの業務に従事した2年以上の実務経験

⑽飲食料品製造業

分野別試験

飲食料品製造分野で特定技能2号を取得するには、以下の試験を受けて合格する必要があります。

  • 「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」

なお、日本語試験を受験する必要はありません。

実務経験

飲食料品製造分野は、以下のような実務経験が必要です。

  • 複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験

ここでいう「複数の従業員を指導しながら作業に従事し」とは、2名以上の技能実習生、アルバイト従業員及び特定技能外国人などを指します。また、「工程を管理する者」とは、管理業務を補助する者で、担当部門長、ライン長、班長などのような役職を想定しています。

⑾外食業

分野別試験

外食分野で特定技能2号を取得するには、以下の試験を受けて合格する必要があります。

  • 「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」

外食業では、以下の日本語試験のレベルに合格する必要があります。

  • 「日本語能力試験」N3以上

実務経験

外食分野は、以下のような実務経験が必要です。

  • 食品衛生法の営業許可を受けた飲食店で、複数のアルバイト従業員や特定技能外国人などを指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長、サブマネージャーなど)としての、2年間の経験

まとめ|2号受入れの準備を整えよう!

まとめ|2号受入れの準備を整えよう!

特定技能2号を取得できる業種が拡大し、受入れを考えている企業主さんも多いでしょう。分野ごとに必要とされる実務経験の期間は異なりますが、特定技能2号の取得には概ね2年間の実務経験が必要。受入れ開始までにリーダーとして業務を任せられるまでに特定技能外国人を育てておく必要があります。

とはいえ、2号の受入れはまだ始まったばかりで、どのような手続きが必要か分からない方もいるはず。そんな時には登録支援機関のKMTにご相談ください。特定技能外国人の受入れ実績の高いKMTなら、特定技能2号受入れも全力でサポート。2号の受入れをしたいけれど何をしたら良いのか分からない方や、そもそも自社が2号の対象なのか分からない方は、ぜひ一度お問い合わせください。

大房行政書士法人代表 / 株式会社KMT取締役
行政書士 大房明良 監修

東京都大田区蒲田に生まれ、大学在学中に訪れたカンボジアで学校建設ボランティアに参加し、貧困問題に興味を持つ。2016年に行政書士事務所を開業し、カンボジア語が話せる行政書士として入管業務を専門に行う。現在は特定技能申請をメイン業務とし、2023年5月現在で申請数は4500件を超える。
また、取締役を務める株式会社KMTでは、約600名の特定技能外国人の支援を行っている。