試験

特定技能2号の外国人を受け入れたいと考えたときに、まず気になるのは技能試験。どのような技能試験があるのか、どのくらい難しい試験なのか気になっている方も多いでしょう。

そこで今回は、特定技能2号の受入れ条件のひとつ「技能試験」について徹底的に解説。分野ごとに試験のレベルや日程、試験問題のサンプルなどもご紹介します。日本語試験についても解説するので、特定技能2号外国人の受入れを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

特定技能2号とは?制度のポイントを確認

特定技能2号とは?制度のポイントを確認

特定技能は、国内での人手不足を解消するために作られた在留資格。専門知識を持った即戦力となる外国人を日本の企業で雇用することで、人手不足を解消しようとするものです。特定技能には2024年4月時点で11種の分野があり、すでに長期ビザのある介護分野以外のすべての分野で特定技能2号の取得が可能になりました。特定技能2号は、1号よりも熟練したスキルを持つ外国人に与えられる資格。1号との違いは、以下のとおりです。

  • 在留期限の更新が無制限
  • 永住権取得の可能性あり
  • より高い技能水準を求められる
  • 登録支援機関のサポート不要
  • 家族帯同が可能に
  • 日本語能力試験は受験の必要なし
  • 試験の実施場所は国内外

特定技能2号は無制限で更新できるため、条件が揃えば永住権を取得できる可能性もある魅力的な在留資格。登録支援機関のサポートや支援計画の策定は必要なく、家族帯同が可能なことも大きな魅力といえるでしょう。

しかし、特定技能1号よりも高い技能水準を求められるのも事実です。技能レベルが2号の水準に達しているかは、実務経験と各分野の技能試験や日本語能力試験により判断されます。

【共通】特定技能2号の日本語レベルはN3は必須・・?

【共通】特定技能2号の日本語レベルはN3は必須・・?

特定技能2号を取得するための試験として、技能試験への合格は必須ですが日本語試験への合格は必要ありません。一定の経験があることは特定技能2号取得の必須条件。専門分野で就労するために必要な日本語能力はあると判断されるため、特定技能2号の日本語試験は免除されます。

ただ、分野によっては必要な日本語レベルが設定されている場合もあるので、注意が必要です。2024年4月現在、漁業と外食業では「日本語能力試験」N3以上が必須条件となっています。

【分野別】特定技能2号になるために必要な試験とは?

【分野別】特定技能2号になるために必要な試験とは?

特定技能2号になるためには、基本的には分野ごとの特定技能2号評価試験という技能試験に合格する必要があります。技能試験に合格した場合は、その他の条件が揃えば特定技能1号を経なくても特定技能2号を取得することも可能です。試験の難易度や実施日などは、以下の11分野により設定されています。

  1. 建設業
  2. 製造業
  3. 農業
  4. 漁業
  5. ビルクリーニング
  6. 造船・舶用工業
  7. 自動車整備業
  8. 航空業
  9. 宿泊業
  10. 飲食料品製造業
  11. 外食業

必要な試験について知って準備しておくことで試験合格の可能性が上がり、特定技能2号の取得がスムーズになるはず。それぞれの分野の試験について、詳しく解説します。

⑴建設業

⑴建設業

建設分野では、以下のいずれかの試験を受けて合格することが必要です。

  • 「建設分野特定技能2号評価試験」
  • 「技能検定1級または単一等級」

技能検定には1級や2級などと等級で区分されているものと区分されていないものがあり、区分されていないものが単一等級です。

学歴や職業訓練受講歴などによっては短縮されますが、単一等級の受講には3年以上、1級の受講には7年以上の実務経験が必要。職種によって建設業の特定技能2号に求められる実務経験は異なりますが、中には半年以上でクリアできる業務区分もあります。そのため、受験に長い実務経験の必要のない建設分野特定技能2号評価試験を受ける方が実務経験が少なくて済む場合があります。

建設分野特定技能2号評価試験のサンプル問題や勉強用テキストは、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)のホームページからチェックできます。

サンプル問題や勉強用テキストはこちら

試験の日程も、JACのホームページから確認が可能です。

建設分野特定技能2号評価試験の日程はこちら

JACのホームページには最新の日程が公開されるので、随時チェックしておきましょう。

⑵製造業

製造分野では特定技能2号評価試験ルートと技能検定ルートがあります。特定技能2号評価試験ルートの場合は、以下の両方の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「ビジネス・キャリア検定3級」(生産管理プランニング区分、生産管理オペレーション区分のいずれか)
  • 「製造分野特定技能2号評価試験」(機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分のいずれか)

製造分野では、製造分野特定技能2号評価試験のほかにビジネス・キャリア検定3級を受けなければなりません。ビジネス・キャリア検定3級は、製造業に関わらず 実務経験3年程度で係長やリーダー相当職を目指す方向けの資格です。中央職業能力開発協会のホームページでは、過去2年間分の問題例を掲載しています。

過去2年間分の問題例はこちら

令和5年度後期生産管理プランニング区分の問題例はこちら

令和5年度後期生産管理オペレーション区分の問題例はこちら

製造分野特定技能2号評価試験の各区分のサンプル問題は、特定技能製造業のポータルサイトからチェックできます。

機械金属加工のサンプル問題はこちら

電気電子機械組み立てのサンプル問題はこちら

金属表面処理のサンプル問題はこちら

2号評価試験の日程も、特定技能製造業のポータルサイトで確認できるので、チェックしておきましょう。

製造分野特定技能2号評価試験の日程はこちら

2023年11月製造分野特定技能2号評価試験結果では、機械金属加工区分での合格率は65.8%、電気電子機器組立て区分での合格率は28%、金属表面処理区分での合格率は0%。2024年2月では、機械金属加工区分での合格率は46.9%、電気電子機器組立て区分での合格率は34.8%、金属表面処理区分でも4人中1人が合格し、合格率は25%でした。合格率は下がったものの、機械金属加工区分の難易度が低めで、金属表面処理区分の難易度が高いといえそうです。

一方技能検定ルートの場合は、以下の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「技能検定1級」(鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、工業包装のいずれか)

いずれの試験を受けるにしても、製造業には3年以上の実務経験が必要なことも頭に入れておきましょう。

⑶農業

⑶農業

建設分野では、以下のいずれかの試験を受けて合格することが必要です。

  • 「耕種農業全般2号農業技能測定試験」
  • 「畜産農業全般2号農業技能測定試験」

農業技能測定試験(ASAT)のホームぺージにそれぞれの職種の日本語版学習テキストが掲載されているので、参考にして勉強すると良いでしょう。

耕種農業2号農業技能測定試験の学習テキストはこちら

耕種農業(安全衛生管理)の学習テキストはこちら

畜産農業2号農業技能測定試験の学習テキストはこちら

畜産農業(安全衛生管理)の学習テキストはこちら

試験実施のお知らせがASATのホームページで確認できるので、日程を知りたい方はこまめにチェックしておきましょう。

2号農業技能測定試験の日程はこちら

⑷漁業

漁業分野では、以下の両方の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「2号漁業技能測定試験(漁業または養殖業)」
  • 「日本語能力試験」N3以上

漁業には、日本語能力試験N3以上の合格も必須。2号漁業技能測定試験の学習テキストは、大日本水産会のホームページからダウンロードできます。

2号漁業技能測定試験の学習テキストはこちら

2024年は、2024年6月頃試験受付、7月頃試験開始の予定です。2号漁業技能測定試験の受験には、日本国内での管理者などとしての漁業または養殖業の2年以上の実務経験(技能実習として就労していた期間は除く)が必要です。実務経験証明書の確認には時間がかかるため、早めに準備しておくことをおすすめします。

⑸ビルクリーニング

⑸ビルクリーニング

ビルクリーニング分野では、以下のいずれかの試験を受けて合格することが必要です。

  • 「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」
  • 「技能検定1級(ビルクリーニング)」

ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験は、全国ビルメンテナンス協会のホームページからサンプル問題がチェックできます。

実技試験のサンプル問題はこちら

学科試験のサンプル問題はこちら

試験日程は、ビルメンWEBか全国ビルメンテナンス協会のホームページから確認できます。全国ビルメンテナンス協会のFacebookでは日程更新のお知らせがチェックできるので、登録しておくと便利ですよ。

ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験の日程はこちら

⑹造船・舶用工業

造船・船舶工業分野では、以下のいずれかの試験を受けて合格することが必要です。

  • 「造船・舶用工業分野特定技能2号試験」
  • 「技能検定1級」

試験実施機関のClassNKのホームページでは、造船・舶用工業分野特定技能1号試験溶接の学科試験サンプルを閲覧することができます。

造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接)「安全衛生等確認試験」受験の参考になるので、確認しておきましょう。

造船・舶用工業分野特定技能1号試験溶接の学科試験サンプルはこちら

造船・舶用工業の技能試験は、申請式。申請者が希望する場所に試験監督者を派遣して行います。申請者は、以下の用意が必要です。

  • 試験実施場所の確保
  • 機械設備
  • 試験母材
  • 溶接材料などの準備
  • 曲げ試験片の加工及び曲げ試験その他日本海事協会に要求される措置

他分野の試験のように日程や場所が決められているわけではなく、受験には申請が必要。前もって受験案内を確認し、準備をしておきましょう。

受験案内はこちら

⑺自動車整備業

⑺自動車整備業

自動車整分野では、以下のいずれかの試験を受けて合格することが必要です。

  • 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」
  • 「自動車整備士技能検定試験2級」

自動車整備分野での特定技能2号評価試験は、まだ整備されていないのが実情。学習教材やサンプル問題などは、これから公開されていくことでしょう。最新の日程は、決まり次第プロメトリックのホームページから確認できます。

自動車整備分野特定技能2号評価試験の日程はこちら

自動車整備士技能検定試験2級の詳細は、日本自動車整備振興会連合会のホームページから確認できます。

自動車整備士技能検定試験2級の試験詳細はこちら

⑻航空業

航空分野は、空港グランドハンドリング業務と航空機整備業務の2種があります。航空グランドハンドリング業務では、以下の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「航空分野特定技能2号評価試験(空港グランドハンドリング)」

航空機整備業務では、以下のいずれかの試験を受けて合格することが必要です。

  • 「航空分野特定技能2号評価試験(航空機整備)」
  • 「航空従事者技能証明」

航空業で特定技能1号の人材が初めて認められたのが、2020年5月。特定技能1号は最大合計5年間の在留資格があり、ほとんどの外国人が特定技能1号を修了してから2号を取得する予定のため受験する方が増えるのは2025年以降となりそうです。そのため、試験日程はまだ決められていませんが、試験日程などの最新情報は日本航空技術協会のホームページからチェックできます。

航空分野特定技能2号評価試験の試験日程はこちら

なお、航空従事者技能証明を受ける場合は、以下のいずれかの取得が必要です。

  • 一等航空整備士(飛行機)
  • 一考航空整備士(回転翼航空機)
  • 二等航空整備士(飛行機)
  • 二等航空整備士(回転翼航空機)
  • 一等航空運航整備士(飛行機)
  • 一等航空運航整備士(回転翼航空機)
  • 二等航空運航整備士(飛行機)
  • 二等航空運航整備士(回転翼航空機)
  • 航空工場整備士(機体構造関係)
  • 航空工場整備士(ピストン発動機関係)
  • 航空工場整備士(タービン発動機関係)
  • 航空工場整備士(プロペラ関係)
  • 航空工場整備士(計器関係)
  • 航空工場整備士(電子装備品関係)
  • 航空工場整備士(電気装備品関係)
  • 航空工場整備士(無線通信機器関係)

⑼宿泊業

⑼宿泊業

宿泊分野では、以下の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「宿泊分野特定技能2号評価試験」

2024年度の宿泊分野特定技能2号評価試験は、5月7日(火)から全国のプロメトリックの試験会場で行われます。受験料は15,000円(税込)。試験日の59日前から予約が可能ですが、予約の前に試験センターに実務経験証明書を提出する必要があります。

必要な実務経験は、宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した経験です。実務経験証明書の様式は、宿泊業技能試験センターのホームページからダウンロードできます。

宿泊業実務経験証明書のダウンロードはこちら

提出時に申し込みに必要な申請番号を発行してもらい、申し込みをします。なお、第1回宿泊分野特定技能2号評価試験ではマイページへの登録は必要ありません。受験を希望するなら、まずは実務経験証明書を用意しましょう。

⑽飲食料品製造業

飲食料品製造分野では、以下の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」

試験の学習用テキストは、日本能率協会コンサルティング(JMAC)のホームページから参照できます。

飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の学習テキストはこちら

日本語のみですが、基本的に学習テキストから出題されるので、試験前の勉強に活用してみましょう。

2号技能測定試験の受験には、飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験が必要。事前に実務経験証明書を提出する必要があります。

試験日程は、外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)のホームページから確認できます。

2024年第1回特定技能2号試験の日程はこちら

2024年は5月末から続々と開催予定なので、日程をチェックしておきましょう。

2024年3月に行われた2号技能測定試験の合格率は、36.3%でした。合格率は低めですが、学習用テキストもあるので集中して勉強しておくと良いでしょう。

⑾外食業

⑾外食業

外食分野では、以下の試験を受けて合格することが必要です。

  • 「外食業特定技能2号技能測定試験」

試験の学習用テキストは、日本フードサービス協会(JF)のホームページから参照できます。

外食業特定技能2号技能測定試験の学習用テキストはこちら

2号技能測定試験の学習用テキストは、日本語のみです。また、外食業では以下の試験への合格も必要です。

  • 「日本語能力試験」N3以上

外食業でも、受験申し込みのときに実務経験を証明する書類が必要。外食業では、日本国内の飲食店において複数のアルバイト従業員や特定技能外国人などを指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店 長、サブマネージャーなど)としての2年以上の実務経験が必要です。

試験日程は、外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)のホームページから確認できます。

2024年第1回特定技能2号試験の日程はこちら

2024年3月に行われた2号技能測定試験の合格率は、38.7%でした。飲食料品製造業よりは合格率が高いですが、難易度は高め。学習用テキストを使ってしっかりと勉強しておくことをおすすめします!

まとめ|特定技能2号の受入れならKMTにご相談を!

まとめ|特定技能2号の受入れならKMTにご相談を!

特定技能2号の技能試験への合格には、専門的な知識が必要です。合格するためには、試験の難易度や実施日をチェックしてしっかりと準備しておくことが大切。とはいえまだ特定技能2号はほとんどの分野で追加されたばかり。実務経験の証明などが必要で、手続きがよく分からない方もいるでしょう。

そんなときには、登録支援機関のサポートを受けてみるのもおすすめ。特定技能2号の知識が豊富なKMTなら、いつでもサポートできます。KMTは特定技能外国人の受入れ実績が高く、相談しやすい環境を整えています。特定技能2号外国人の試験の受験サポートもしますので、特定技能2号外国人の受入れを考えている企業の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

大房行政書士法人代表 / 株式会社KMT取締役
行政書士 大房明良 監修

東京都大田区蒲田に生まれ、大学在学中に訪れたカンボジアで学校建設ボランティアに参加し、貧困問題に興味を持つ。2016年に行政書士事務所を開業し、カンボジア語が話せる行政書士として入管業務を専門に行う。現在は特定技能申請をメイン業務とし、2023年5月現在で申請数は4500件を超える。
また、取締役を務める株式会社KMTでは、約600名の特定技能外国人の支援を行っている。