在留資格

特定技能外国人を雇用するなら、だいたい何年間雇用できるのか気になるもの。今後の雇用計画を立てるうえでも、特定技能の在留期間はどれくらいなのか知っておきたい方は多いでしょう。

特定技能には1号と2号があり、それぞれ在留期間は異なります。この記事では、特定技能1号と特定技能2号の在留期間について、徹底的に解説!在留期間の「通算期間」の数え方や「通算期間」に含まれる期間についても詳しく解説します。

外国人を雇う上で大切な「在留期間」をご説明!

【確認】外国人を雇う上で大切な「在留期間」をご説明!

特定技能外国人を雇うとなると、在留期間を確認しておかなくてはなりません。特定技能は、1号と2号でそれぞれ異なる在留期間が定められています。特定技能1号と2号それぞれの在留期間について、覚えておきましょう。

  • 特定技能1号は5年間の就労が可能!
  • 特定技能2号は在留期間に制限なし!?

特定技能外国人を雇用するときには、最大何年間雇えるのかを視野に入れて考慮することが大切。せっかく雇ってもすぐに在留期間がきてしまっては意味がありません。適切な人材確保をするためにも、特定技能外国人の在留期間を知っておきましょう。特定技能1号と2号それぞれの在留期間について、詳しく解説します。

5年間の就労が可能!特定技能1号の在留期間

特定技能1号の在留期間は、通算で最大5年間と定められています。そのため、特定技能1号で外国人を雇用するときには、5年間の雇用期間を予定して採用することができます。

とはいえ何もせずに5年間在留できるわけではなく、一定の期間ごとに在留期間の更新が必要です。更新は、「1年、6ヶ月、4ヶ月」ごとの法務大臣が個々に指定するいずれかの期間で手続きをしなければなりません。

なお、更新できる在留期間は在留カードに記されています。例えば「1年」と在留カードに書かれている場合は、1年間が在留期間であり在留期間の1年間が終わる前に更新の手続きを行わなければなりません。出入国在留管理庁に必要書類を提出し、審査が通ると在留期間が更新されます。

手続きをしないと、在留期間が終わってしまって不法滞在になってしまう可能性があるので、在留カードに記載された在留期間を確認して忘れずに更新するようにしましょう。

制限がない?特定技能2号の在留期間

特定技能1号には最大通算5年間の在留期限がありますが、特定技能2号では在留期間の制限がありません。ただ、特定技能2号の在留資格を取得し続けるためには、定期的に在留期間の更新を行い続ける必要があります。特定技能2号の在留期間の更新は、「3年、1年、6ヶ月」のいずれかの頻度で行います。

更新の必要はありますが、更新さえしていれば永久に在留することも可能!特定技能2号を取得してから10年間在留すると、永住権が取得できる可能性も広がります。特定技能1号では最大でも5年間の在留期限がありますが、特定技能2号になれば無期限で外国人の雇用が可能になります。

せっかく特定技能外国人を採用しても、5年間で帰国させなければならないのは残念なもの。特定技能2号を取得すれば長く一緒に就労することができます。

特定技能2号になると家族の帯同も可能になるため、外国人の定着率が上がるでしょう。これから特定技能外国人を受け入れる企業の方は、特定技能2号を取得させることを視野に入れて検討してみると良いでしょう。

特定技能1号の在留期間は「通算」で計算!

【さらに詳しく】特定技能1号の在留期間は「通算」で計算!

特定技能1号の在留期間で気になるのは、「通算」という言葉です。特定技能1号の在留期間は、単純に5年間ではなく「通算」最大5年間。ここでいう「通算」とは、就労分野に関わらず在留資格「特定技能1号」として日本に在留した期間のことをいいます。過去に特定技能1号の在留資格で日本に在留していた場合は、その期間も含まれます。

さらに、以下のようなケースが「通算」期間とみなされます。

  • 失業中・育児休暇や産前産後休暇などの休暇期間
  • 労災による休暇期間
  • 再入国許可またはみなし再入国許可による出国期間
  • 在留許可申請または転職のための在留資格変更許可の特例期間
  • 特定技能1号以降のための「特定活動」での在留期間

実際に就労をしていない期間でも場合によっては「通算」の在留期間には含まれてしまうので、受入れ機関は「通算」で計算した在留期間がどのくらい残っているのか把握しておくことが大切です。

【重要】通算期間に含まれるケースを解説!

続いて、具体的に通算期間に含まれなるのはどんなケースなのか解説していきます。通算期間を計算するうえで注意すべきポイントは、以下の2点です。

  1. 「本帰国」がポイント!通算期間に含まれない期間は?
  2. 在留期間=雇用契約期間ではない!

通算期間に含まれる期間は分かっても、どの期間が含まれないのかよく分からない方も多いはず。しっかりとポイントを押さえて通算期間に含まれない期間も知っておくことで、通算期間の考え方がより深く理解できるでしょう。

通算期間についてのそれぞれのポイントについて、詳しく解説します。

「本帰国」がポイント!通算期間に含まれない期間とは?

通算期間は、本帰国かどうかがポイント。本帰国ではなく一時帰国の場合は通算期間に含まれますが、本帰国の意思がある場合は通算期間には含まれません

例えば、日本に帰ってくるつもりで再入国許可により出国したものの、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための上陸拒否などで日本への再入国ができなくなった場合は、その期間は通算期間に含まれないようにできます。その際は、新型コロナウイルス感染症の影響に関する申立書(参考様式第1-28号)を提出します。また、短期間で再入国することが決まっている場合には再入国許可を取らずにみなし再入国が可能。その場合も同様に申立書を提出することで、みなし再入国で出国していた期間は通算期間にはカウントされなくなります。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で受け入れ機関または受入れを予定していた機関の経営が悪化し、特定技能外国人のせいではなく受入れ機関の事情により就労ができなくなり、特定技能1号の在留資格で日本に在留することが困難になった場合も、通算期間には含まれません。

新型コロナウイルス感染症の影響により帰国が困難となった特定技能外国人が日本に滞在する場合も、通算期間には含まれないケースのひとつ。技能実習を修了したもののコロナ禍で帰国ができず、受入れ機関が雇用を続けるために特定技能のスキルを身に付けるために「特定活動」の在留資格で日本に在留した場合も、特定技能の通算期間には含まれません。

本帰国ではなく一時的な帰国で、引き続き日本に在留して特定技能を続ける場合は、通算期間に含まれるので注意が必要。とはいえ、通算期間に含まれないケースもいくつかあるので、帰国している期間が通算期間に含まれるのかどうかよく確認しておきましょう。

【気をつけよう!】在留期間=雇用契約期間ではない!

特定技能の在留期間を考えるうえで忘れてはならないのが、在留期間=雇用契約期間ではないこと。特定技能の雇用契約期間や在留期間がまだ残っていたとしても、「特定技能1号」で在留した通算期間が5年に達した時点で出国しなければなりません。

例え在留期間が残っていても、通算期間が5年を超えた場合は日本に引き続き在留することが認められません。まだ在留期間や雇用契約期間が残っているからと安心せず、通算期間が5年に達していないかどうかを確認しておくことが重要です。なお、通算在留期間を確認したい場合は、保有個人情報などの開示請求をする必要があります。

特定技能1号には在留期間に制限があるうえ、転職が可能。長く雇用するためには、働きやすく魅力的な環境づくりがキーとなってきます。徐々に拡大している特定技能2号の取得も見据えて、長期的な雇用を目指しましょう。

在留期間のご相談ならKMTにお任せください!

まとめ|在留期間のご相談ならKMTにお任せください!

細かい在留期限のある特定技能1号とは違い、特定技能2号を取得すると制限なく就労が可能になります!長期的な雇用で人手不足を補うなら、特定技能2号まで取得させるつもりで雇用するのがおすすめ。長く外国人を雇用することで企業の成長にもつながるでしょう。

とはいえ、初めて特定技能外国人を受け入れる場合は不安がつきもの。在留期間がどのくらいになるのかも知っておきたいし、どの程度帰国させて良いのかも知りたいですよね。そんなときには登録支援機関のKMTにご相談ください。KMTは特定技能外国人の受け入れ実績が高く、在留期間についてのサポートも可能。特定技能外国人の在留期間について疑問がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

大房行政書士法人代表 / 株式会社KMT取締役
行政書士 大房明良 監修

東京都大田区蒲田に生まれ、大学在学中に訪れたカンボジアで学校建設ボランティアに参加し、貧困問題に興味を持つ。2016年に行政書士事務所を開業し、カンボジア語が話せる行政書士として入管業務を専門に行う。現在は特定技能申請をメイン業務とし、2023年5月現在で申請数は4500件を超える。
また、取締役を務める株式会社KMTでは、約600名の特定技能外国人の支援を行っている。