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特定技能外国人を受け入れると決めたときに、気になるのがトラブル。即戦力となる特定技能外国人を受け入れるのは楽しみではありますが、外国人を受け入れるとなるとどんなトラブルがあるのか不安になってしまうこともあるでしょう。

そこでこの記事では、特定技能外国人受入れで起こりやすいトラブル事例をご紹介します。トラブルの起こる原因や未然に防ぐ方法についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

知っておくことで、良い関係を築きながら特定技能外国人と共に働くことができるようになります

外国人を雇用するとどんなトラブルが多い?3つの事例を解説

特定技能や技能実習で外国人を雇用すると、思わぬトラブルが発生することがあります。外国人の雇用で起こりがちなトラブルは、以下の3種類です。

  1. 日本人従業員との連携ミス
  2. 生活ルールの違いによる苦情
  3. 雇用条件の不満による突然の退職

中には、「なぜこんな事に?」とトラブルが起こってから驚くケースも。トラブルの中には外国人だからこそ起こり得るものが多く、日本人にはトラブルが発生することが予測しにくいので注意が必要です。

それぞれのトラブル事例について、詳しく解説します。

⑴日本人従業員との連携ミス

職場では日本人従業員と日本語で話すことになるため、日本人従業員との間で連携がうまくとれずに連携ミスでトラブルが起こってしまうことがあります。

特定技能外国人にも日本人従業員にも悪気はなくても、連携ミスは起こる可能性があります。例えば日本人従業員が特定技能外国人に仕事をするように頼んだのに、特定技能外国人は頼まれていないと勘違いし、仕事をしていなかったといったケースがあります。

また、ちょっとしたミスを報告しないでいるうちに、大きなトラブルへと発展してしまったという事例もあります。これくらい大丈夫だろうと思ってやってしまったことが、大きなミスへとつながってしまうこともあるので、日頃から注意が必要です。

⑵生活ルールの違いによる近隣の方からの苦情

日本人と外国人では生活のルールに違いがあるので、それが原因で近隣から苦情が出ることもありがちなケースです。日本で当たり前だと思っている道徳的なルールも、海外では当たり前ではないことがあります。

これも特定技能外国人側には悪気はなく、迷惑になっていることを気付かずにやっている場合が多いのでやっかいな問題です。特に日本の文化に対する教育を受けずに来た特定技能外国人は、母国では問題にならないことがトラブルになってしまい驚いてしまうこともあるでしょう。

外国人に対して周囲から苦情が出やすいシーンがいくつかあるので、ご紹介します。

2-1 ゴミ出しの分別

日本では、ほとんどの自治体でゴミを細かく分別して出すことになっています。しかし、特定技能外国人の母国である発展途上国の中にはゴミを分別する習慣がない地域があります。リサイクルに使うゴミを分ける習慣がない場合もあり、プラスチックごみや燃えないゴミなどの分別には日本人でも戸惑うことがあります。

そのため、特定技能外国人にはゴミ出しの分別方法が分からず、全てのゴミをまとめて出してしまうことも。そのような場合には、近隣住民から苦情が出てしまいます。

また、例えゴミの分別について知っていても、ゴミをきちんと分別して決まった日に出さなければならないという意識は低いかもしれません。決まった日に出さなくても大丈夫だろうと思ってゴミの日ではない日に収集所にゴミを出してしまうこともあり、周囲の方から嫌な目で見られてしまうことがあります。

2-2 自転車のマナー

街中で、フラフラとしながら道を自転車走っている外国人を見かけることはあるでしょう。自転車のマナーも、特定技能外国人の雇用でよくあるトラブルです。日本の生活ルールを教えるときにも、自転車のマナーは抜け落ちてしまいがち。日本人なら当たり前と思っている自転車のマナーですが、外国人にとっては聞いたことがないことかもしれません。

「自転車は道路の左側を走る」「歩行者がいるときは歩行者を優先する」などの基本的なルールが分かっていないと、危険な運転で周囲をはらはらさせることになります。周囲の方によく思われないばかりか最悪の場合は自転車で事故に合って就労が不可能になってしまうことがあるので、自転車のマナーにも気を付けたいところです。

2-3 騒音

外国人によくあるトラブルが、アパートや社宅などに友達を呼んで住まわせてしまうことです。特定技能外国人には一定の居住スペースが与えられますが、その場所に他の人を住まわせてはいけません。また、パーティー好きな外国人も多いので、居住はさせなくても家にたくさん友達を呼んで夜まで騒いでいることがあります。社宅なのに庭でバーベキューをしていて苦情が出たというケースもあります。

音をあまり気にしない文化もありますが、日本では大きな音や夜の騒音は近隣住民の苦情が出る原因になります。また、日本の住居は隣の家との間隔が狭く、壁も薄いために声が聞こえやすいのが騒音のトラブルを引き起こす原因のひとつでもあります。実際、日本と外国には時差があるため、夜母国の家族や友人と電話やテレビ電話をしていてうるさがられるケースも多いです。

⑶雇用条件への不満による突然の退職

特定技能外国人とのトラブルで、最も困るのが突然の退職です。特定技能外国人は、雇用条件の不満により突然退職を申し出ることがあるので、注意が必要です。例えば、思っていたよりも給料が少ない、家賃が高くて払えない、残業が多いなど、雇用条件にさまざまな不満を持っていることがあります。

特定技能外国人には日本語ができてもすっと出てくるほどの会話力がない方も多く、不満をさらけ出すことができずに抱え込んでしまい、受入れ企業側からしてみれば突然の退職となってしまうのです。

その他、「休憩時間が少ない」「ボーナスが出ない」なども、特定技能外国人が退職を考える原因となることがあります。

すべてのトラブルに共通する3つの原因

トラブルが起こるのには原因があります。特定技能外国人に起こりやすいすべてのトラブルに共通する3つの原因を、覚えておきましょう。

  1. コミュニケーション不足
  2. 文化の違いへの理解不足
  3. 理解できる言語での説明不足

どのようなことが原因となってトラブルが起こるのか知っておくことで特定技能外国人をより良く理解できるようになり、これから起こり得るトラブルを未然に防ぐ方法も見えてくるはず。それぞれの原因について、詳しく解説します。

⑴コミュニケーション不足

ただでさえ母国語ではない言葉では話しにくいのに、会話が少ないと特定技能外国人が思い込みの考えを持ち続けてしまい、それがトラブルへと発展してしまうことがあります。また、日本語のあいまいな伝え方によりコミュニケーションがうまくいっていない場合もあります。日本人ははっきり言わずに察してもらうような表現をすることがありますが、外国人にはそれが分からずに伝わらないケースもあるのです。

特定技能外国人に関わらず、すべてのトラブルが起こる原因はコミュニケーション不足なことがほとんどです。日頃からコミュニケーションを十分にとってさえいれば、考え方の違いはあってもトラブルが起こることが減るでしょう。普段からコミュニケーションが少ないと、不満も溜まってしまいがち。雑談の中で不満も口に出していることで、少なくとも突然の退職は避けられるはずです。

⑵文化の違いへの理解不足

文化の違いは、日本人と外国人の両方が意識する必要があります。ゴミの分別ひとつにとっても、文化の違いにより特定技能外国人にはゴミの分別方法が分からずにひとまとめにして捨ててしまうことがあります。これは、外国人が日本のゴミ出し時の分別ルールを知らないことにより起こるトラブルです。

また、例えゴミ出しの規則を知っていたとしても、きちんと分別しない外国人もいます。日本では共有スペースをきれいに保つ文化ができあがっていますが、それを知らない外国人はゴミ出しのルールをそれほど気にしないのかもしれません。

また、残業するという文化がない国もあります。残業する文化が理解できていなければ、特定技能外国人は仕事が残っていても定時で帰宅してしまいます。そして、仕事が残っていたら残業するのが当たり前の日本人は、「まだやらきゃならない仕事があるのに、すぐに帰ってしまう!」と腹を立ててしまうのです。

⑶理解できる言語での説明不足

説明不足も、トラブルを起こす原因となりやすいです。特定技能外国人はある程度の日本語はできますが、契約書などの内容は難しくて分かりにくいことが多いです。そのため、日本語ではなく母国語などの十分理解できる言語での説明が必要になります。日本語で丁寧に説明したつもりでも、よく理解できていなくて特定技能外国人に「聞いていない」と言われたり特定技能外国人が「思っていた内容と違った」と思ってしまうことがあるからです。

特定技能外国人にとっては、仕事の問題だけでなく住居や近隣住民とのトラブルなども説明不足が原因で問題になりやすいもの。特定技能外国人が理解できる言語で説明していない場合は、こんなはずではなかったと転職や退職を招いてしまう場合もあるので、注意が必要です。

トラブルを未然に防ぐ3つの対策

特定技能外国人のトラブルは、できれば未然に防ぎたいもの。トラブルを未然に防ぐための3つの対策は、以下のとおりです。

  1. 徹底した事前ガイダンスの実施
  2. 日頃からコミュニケーションを密に
  3. 外国人の母国の文化について理解しておく

トラブルを防ぐ対策は、今後の職場環境にも良い影響を与えるものばかり。次に特定技能外国人を受け入れたときにも役に立つはずです。3つの対策を覚えて、トラブルの起こりにくい職場をつくっていきましょう。それぞれの対策について、詳しく解説します。

⑴徹底した事前ガイダンスの実施

丁寧に事前ガイダンスを行うことは、特定技能外国人に日本の文化を理解してもらうのに非常に有効です。事前ガイダンスとは、特定技能外国人が日本で就労する前に日本の就労や生活について説明を行うもの。書面やメールではなく、電話や対面、ビデオ通話などで3~4時間のガイダンスを行うことが義務付けられています。

事前ガイダンスは時間がかかりますが、日本での生活をイメージしてもらうためにとても重要なもの。要点だけ説明するとのちに理解不足によるトラブルに発展してしまうこともあるのでNG。丁寧に特定技能外国人がしっかり理解していることを確かめながら、母国語で行うのが理想です。

この事前ガイダンスを徹底して行うことで、特定技能外国人のトラブルを未然に防ぐことができます。日本での就労や生活についての注意点はしっかりと伝え、勘違いのないようにしておきましょう。なお、事前ガイダンスの実施は、支援を委託した登録支援機関に実施してもらうのが一般的です。

⑵日頃からコミュニケーションを密にする

コミュニケーション不足は、多くのトラブルを招く原因となります。普段からたっぷりとコミュニケーションをとっていれば、特定技能外国人がどのような点に不満を感じてどのような点に満足しているのかしっかりと把握することができます。特定技能外国人は日本人とは違うか感覚を持っていることもあれば、同じ感覚を持っていることもあります。どのような気持ちで就労や生活をしているのかは、しっかりとしたコミュニケーションをすることで理解するしかありません。

日頃から密にコミュニケーションを取ることで、トラブルを起こしそうな原因があれば対策を取ることもできるでしょう。相手が日本人の場合でも同じですが、密なコミュニケーションを取ることで遠慮なく言いたいことが言えるようになり、働きやすい環境が整っていくことにもつながります。

思いもよらないトラブルを防ぐためにも、会話が少ないなと感じたら積極的に話しかけて話題を広げるようにしてみましょう。

⑶外国人従業員の母国の文化について理解しておく

特定技能外国人が日本の文化を理解すると同時に、日本人が外国人従業員の母国の文化について理解しておくことも非常に大切です。文化が違うことを日本人が知らないと「なぜだ!」「マナーが悪い!」と頭ごなしに怒りたくなってしまいますが、文化の違いが理解できていれば「知らないから教えてあげよう」と建設的に考えられるはずです。

そのため、海外と日本では文化の違いがあることを特定技能外国人と日本人従業員の双方で理解しておくことが重要です。

特定技能外国人の母国の文化については、母国の知り合いがいなければインターネットなどで調べておくと良いでしょう。また、特定技能外国人本人に聞いてみるのもコミュニケーションを深めることになるのでおすすめです。そのとき、日本で暮らすうえで重要な文化の違いがあれば、日本の文化も教えてあげると良いでしょう。

特定技能外国人の強みをご紹介!日本での生活経験者が多数

特定技能外国人は、技能実習から移行してくる方がほとんど。技能実習時代に日本での生活を経験している方が多いので、ある程度日本のマナーを知っていて問題なく日本の生活になじんでくれる場合が多いです。また、年齢が若くてやる気のある方や真面目に働いてくれる方も多く、日本人と同じように雇用ができるのもうれしいポイント。特定技能外国人としても、母国よりも給料が多い日本で働けることでメリットを感じながら就労している方が多いです。

また、特定技能外国人を受け入れることで、周囲の日本人労働者の視野が広がります。世界にはこんな考え方の人もいるのかと気付くことで、日本人労働者の方も成長するのです。

特定技能には1号と2号があり、2号になれば定期的な更新で無期限で日本で就労することも可能になります。技能実習とは違い長く働いてもらえるので、教育のし甲斐がありますね。特定技能外国人を受入れた企業は人手不足の解消以上に職場に活気を与えてくれることにメリットを感じることが多いので、特定技能外国人の受入れを考えている企業主さんは思い切って雇用してみるのも良いでしょう。

まとめ|トラブルは未然に防いで長く働ける職場に!

特定技能外国人は、思わぬトラブルを招いてしまうことも。しかし、原因と対策が分かっていれば、トラブルは未然に防ぐことができます。トラブルを防ぐためには、特定技能外国人との密なコミュニケーションが不可欠。事前ガイダンスや母国の文化への理解で理解不足を補っておくことも大切です。トラブルの起こりにくい職場なら、満足しながら長く働くことができるでしょう。

ただ、よく気を付けているつもりでもトラブルが起こってしまうこともあります。そんなときには、迷わず登録支援機関に相談しましょう。特定技能外国人の受入れ実績の高いKMTなら、特定技能外国人のトラブルについても多ヶ国語でサポートが可能。特定技能外国人とのトラブルに悩んだら、ぜひ一度ご相談ください。

大房行政書士法人代表 / 株式会社KMT取締役
行政書士 大房明良 監修

東京都大田区蒲田に生まれ、大学在学中に訪れたカンボジアで学校建設ボランティアに参加し、貧困問題に興味を持つ。2016年に行政書士事務所を開業し、カンボジア語が話せる行政書士として入管業務を専門に行う。現在は特定技能申請をメイン業務とし、2023年5月現在で申請数は4500件を超える。
また、取締役を務める株式会社KMTでは、約600名の特定技能外国人の支援を行っている。