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特定技能で家族帯同ができるのか、疑問に思っている方は多いでしょう。特定技能は日本に在留して働ける魅力的な資格ですが、家族を連れてこれないなら受け入れはやめておこうかと悩んでしまうこともありますね。

そこで今回は、特定技能の家族帯同について徹底的に解説!家族帯同が認められる要件や与えられる在留資格、家族の就労はできるのかなども解説するので、特定技能における家族帯同が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

特定技能では家族帯同が可能?現段階で正式に認められているのは2号のみ

特定技能では家族帯同が可能?現段階で正式に認められているのは2号のみ

特定技能での家族帯同は、2024年3月現在2号のみ認められています。特定技能1号は合計5年間が上限の在留期間がありますが、特定技能1号には家族帯同が認められていないので、その間家族を連れてくることができません。しかし、特定技能1号から2号に移行することで、家族の帯同が可能になります!

特定技能2号には在留期間の上限がないため、何度も更新して資格を持ち続けることが可能。条件が揃うと永住権の取得で永久に日本に滞在できる可能性もある、魅力的な資格です。

基本的には特定技能1号での家族帯同は認められていませんが、すでに「家族滞在」の在留資格で日本に在留している場合には、在留資格「特定活動」への変更により在留が認められるケースもあります。在留資格を「留学」から「特定技能」に変更する場合は、すでに留学生の家族が「家族滞在」の在留資格を持っていることも。その場合は、家族でも在留が可能になることがあります。

また、今後特定技能1号でも家族の帯同が認められるようになる可能性もあるので、随時特定技能の最新情報をチェックしておきましょう。

家族はどんな資格で日本に来れる?与えられる在留資格や要件をご説明

家族はどんな資格で日本に来れる?与えられる在留資格や要件をご説明

特定技能1号では家族の帯同が認められていませんが、特定技能2号では家族の帯同が正式に認められています。家族に与えられる在留資格は「家族滞在」です。特定技能外国人の家族が不法滞在と思われてしまわないように、在留資格について知っておくことが大切です。

家族の与えられる資格についてしっかりと理解しておくことで、家族も堂々と在留させることができるようになりますよ。ここでは、在留資格「家族滞在」について、どんな在留資格なのか詳しく解説します。

家族に与えられる在留資格は「家族滞在」

特定技能2号の家族に与えられる在留資格は、「家族滞在」です。「家族滞在」は在留外国人が扶養する家族に与えられる資格で、認められると法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)日本に在留して日常生活を送ることができます。更新して認められることで、合計5年以上在留することも可能です。

特定技能1号の介護以外の全分野で、特定技能2号への移行が可能になりました。介護分野はすでに長期在留資格「介護」があるため、介護分野での特定技能2号への移行はできませんが、家族滞在は在留資格「介護」の家族でも認められます。

特定技能2号や「介護」資格を持った外国人は、不法滞在にならずに家族を日本に在留させることが可能。特定技能外国人を受け入れる受入れ機関は、特定技能外国人にも家族帯同について理解してもらうと受け入れがしやすくなるでしょう。

「家族滞在」申請に必要な3つの条件とは?

「家族滞在」申請に必要な3つの条件とは?

特定技能2号の家族に与えられる「家族滞在」ですが、申請には以下の3つの条件を揃える必要があります。

  1. 婚姻関係をしっかりと証明できる者である
  2. 呼び寄せる側に扶養できる経済力がある
  3. 子どもの養育の計画が明確である

外国人の不法滞在を防ぐために、在留資格「家族滞在」取得の要件は厳しくなっています。家族を日本に滞在させるためには、条件を揃えることが大切。申請に必要な3つの条件について、それぞれ詳しく解説します。

⑴婚姻関係をしっかりと証明できる者であること

「家族滞在」を取得するためには、日本で正式な婚姻関係があることを証明しなければなりません。婚約や内縁関係、離婚している場合などは認められないので注意が必要です。婚姻関係を証明するために必要な書類は、以下のいずれかの書類です。

  • 婚姻届受理証明書 1通
  • 結婚証明書(写し) 1通
  • 出生証明書(写し) 1通
  • 上記書類に準ずる文書 適宜

滞在させたい家族が配偶者の場合は、婚姻届け受理証明書と結婚証明書、子どもの場合は出生証明書の提出が必要です。書類が外国語で書いてある場合は、日本語での訳文を用意して一緒に提出しましょう。なお、配偶者ビザのように夫婦や家族の証明として写真を添付する必要はありません。

在留資格「家族滞在」の申請時点で日本で正式な婚姻関係が認められているなら、書類の用意はそれほど大変ではないでしょう。

⑵呼び寄せる側に扶養できる経済力があること

呼び寄せる側に、扶養できる経済力があることも「家族滞在」取得のための要件のひとつ。特定技能2号の外国人が、家族を養える十分な経済力を持っていると証明する必要があります。申請する外国人の職業と収入を証明する文書を提出しなければなりません。必要な書類は以下のとおりです。

  • 在職証明書の写し (扶養者の職業がわかる証明書)
  • 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)各1通

なお、1年間の総所得及び納税状況の両方が記載されている証明書の場合は、いずれかの書類で大丈夫です。通常は住民税の証明書は住んでいる区役所や市役所などから発行されますが、転居などにより住んでいる地域から発行されない場合は、最寄りの地方出入国在留管理官署に問い合わせましょう。

認められるための収入額は決められているわけではなく、呼び寄せる家族の人数や地域の家賃などにもよりますが、特定技能2号として就労している外国人なら、特に問題なく条件をクリアできることでしょう。

⑶子どもの養育の計画が明確であること

子どもを連れてきたい場合には、未成年か成年かに関わらずに申請ができます。ただ、未成年の場合は特別な証明は必要ありませんが、成年の場合は扶養する必要があるのか問われることがあります。帯同を希望する家族が成年またはもうすぐ成年になる未成年の場合は、子どもの養育の計画を明確にする必要があります。子ども自身が就労していないなど、その子どもを扶養する必要があるのかどうかが審査のキーとなります。

その他、人道上子どもと一緒に暮らすことが必要と判断された場合には在留が認められることがあります。家族が一緒に暮らすことは基本的には重要です。しかし子どもの帯同を考えるときには、大人の事情だけでなく子どもが長期的に日本で滞在することも考えなければなりません。子どもの学校や就労はどうするのかなど、大きい子なら子ども自身が日本で暮らしたいかをきちんと家庭で話し合っておくことも大切です。

誰まで呼べる?家族滞在が認められる家族の範囲をご紹介

在留資格「家族滞在」で家族の滞在が認められる家族の範囲は、申請者の配偶者と子までです。特定技能外国人が両親や兄弟、おじいちゃんやおばあちゃんや親戚を日本に呼ぶことは、認められていません。子どもの場合は、養子認知している非嫡出子でも認められます。ただ、再婚相手の子どもの場合は、正式に養子縁組を結んでいないと認められません。

「家族滞在」で呼び寄せる家族は、申請者に扶養されることが条件。そのため、家族が海外で働いていたり日本で仕事をする予定がある場合には家族の滞在が認められません。

特定技能2号の外国人が日本で出産した場合は、子どもに「家族滞在」の在留資格が与えられます。その場合は、子どもが生まれてから原則30日以内(最低でも60日以内)に入国管理局に申請することが必要です。また、出産の手伝いを海外から呼ぶ場合には、「短期滞在」のビザで呼ぶことができます。

家族は働くことは可能?気になる就労要件をご説明

家族は働くことは可能?気になる就労要件をご説明

特定技能2号の家族帯同を考えている受入機関の方は、家族は本当に働くことができないのか気になっているのではないでしょうか。一定の条件を満たせば、家族も働くことは可能です。

  • 「資格外活動」の許可が出ればアルバイトとして就労可能

「家族滞在」では本来は申請者が家族を扶養することが必要ですが、家族に「資格外活動」の許可が下りると日本でアルバイトをすることができるようになります。次は、気になる就労要件「資格外活動」について、詳しく解説します。

「資格外活動」の許可が出ればアルバイトとして働ける

「資格外活動」は、「家族滞在」の在留資格で滞在していても例外的に就労が認められる許可です。「家族滞在」でアルバイトをすると不法就労となってしまいますが、「資格外活動」の許可が出ていればアルバイトとして働いても問題ありません。

「資格外活動」には包括許可と個別許可の2種類がありますが、在留資格「家族滞在」では包括許可を取得します。包括許可では勤務内容や勤務先は指定されないので、アルバイトを変えたときにも新たに許可を申請する必要がありません。

日本で働けないと思っていた家族が、アルバイトとして働けるのは家族としてはうれしいポイント。扶養されるだけでなくお小遣いを稼ぐことができ、日本での生活が楽しくなることでしょう。特定技能外国人の家族がアルバイトをしたいと希望している場合は、「資格外活動」の申請をしましょう。

資格外活動とは?要件と可能になる活動など

日本でのアルバイトが可能になる「資格外活動」は、家族を連れてくるなら覚えておくべき許可。「資格外活動」の2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 資格外活動の許可が出る要件
  • 可能になる活動や労働時間

資格外活動の取得にはどんな要件があるのか、何ができるようになるのかを知っておくことで、特定技能外国人の家族の日本での生活も見えてくるはず。それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

資格外活動の許可が出る要件とは?

出入国在留管理庁のホームページで公開されている、資格外活動が認められるための要件は以下のとおりです。

(1) 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。
(2) 現に有する在留資格に係る活動を行っていること。
(3) 申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること。(注)下記2(1)の包括許可については当該要件は求められません。
(4) 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。
ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
イ 風俗営業若しくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業,映像送信型性風俗特殊営業,店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
(5) 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
(6) 素行が不良ではないこと。
(7) 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については,当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。

引用:出入国在留管理庁 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00045.html

分かりやすくいうと、以下のような条件があります。

  • 扶養範囲以上の収入を得ない
  • 違法な仕事をしない
  • 風俗や怪しいお店などでは働かない
  • 違反や犯罪行為をしていない
  • きちんと納税している

つまり、特定技能外国人の家族がアルバイトとしてまじめに働く分には問題ないということ。それほど厳しい条件ではないので、取得がしやすいでしょう。コンビニやレストランなどで働いている外国人をよく見かけますが、「資格外活動」の許可を得ている方かもしれませんね。

とはいえ許可の申請をせずにアルバイトをしてしまうと不法就労になってしまうので、申請は忘れずに行うことが大切です。

「資格外活動」の申請は、申請者本人か受入機関などが申請者の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に必要書類を提出する必要があります。必要書類や申請方法は出入国在留管理庁のホームページでチェックできますよ。

資格外活動の申請方法はこちら

資格外活動で可能になる活動や労働時間

資格外活動の許可が下りると、コンビニやレストラン、スーパーなどでのアルバイトが可能になります。外国人であれば、英会話学校の教師やモデル活動などもしやすいでしょう。逆に、風俗営業店では働くことはできません。

キャバクラや性サービス業はもちろん、パチンコ店やゲームセンターなどでも働けないので注意が必要。パチンコやゲームセンターは風俗営業許可が必要な風俗営業店なので、資格外活動では働くことが認められません。

また、1週間あたり28時間以内という時間制限があるのも注意しなければならないポイントです。うっかり1週間で28時間以上働いてしまうと不法就労になってしまうことも。就労時間に制限があることをあらかじめアルバイトをする店舗側に伝えておくことも大切です。

まとめ|特定技能2号なら家族と一緒に暮らせる!

まとめ|特定技能2号なら家族と一緒に暮らせる!

特定技能2号は、家族帯同が認められる在留資格。1号では家族の帯同ができませんが、2号では家族を連れてくることができます。在留資格「家族滞在」で、配偶者や子どもと過ごすことが可能。さらに「資格外活動」の許可を得ることで、家族がアルバイトをすることも可能に。家族と一緒に働きながら、日本で暮らすことができます。

家族帯同や資格外活動の許可を得るのは魅力的ですが、どんな手続きをしたら良いのかわからない方には登録支援機関に相談してみることもおすすめします。「家族滞在」や「資格外活動」の申請が行える行政書士の在籍する登録支援機関KMTなら、資格取得のサポートが可能。家族の帯同を考えているなら、ぜひ一度ご相談ください!

大房行政書士法人代表 / 株式会社KMT取締役
行政書士 大房明良 監修

東京都大田区蒲田に生まれ、大学在学中に訪れたカンボジアで学校建設ボランティアに参加し、貧困問題に興味を持つ。2016年に行政書士事務所を開業し、カンボジア語が話せる行政書士として入管業務を専門に行う。現在は特定技能申請をメイン業務とし、2023年5月現在で申請数は4500件を超える。
また、取締役を務める株式会社KMTでは、約600名の特定技能外国人の支援を行っている。